繊細な技術とアーティスティックな感性で、常に私たちを魅了し続けるフランスのハイジュエラー、ヴァン クリーフ&アーペル。

同社のアートピースと日本の工芸作品のコラボレーションで、日仏の“技”を対比させるという斬新な試みの展覧会「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」が、京都国立近代美術館にて、2017年8月6日(日)まで開催されています。

「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」展ポスター
「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」展ポスター

ヴァン クリーフ&アーペルが誇る美麗なハイジュエリーを美術館で展示する機会は、2016年のシンガポール・アート科学博物館に続き、日本では京都のみの開催になります。海外まで飛ばずに貴重なアートピースを鑑賞できるビッグチャンス、逃す手はありません!

パリのヴァンドーム広場にてヴァン クリーフ&アーペルが創業された1906年、日本は明治時代でした。そのころより超絶技巧を駆使した美術工芸作品が多く生まれ出た日本の時代背景、そして今回選ばれた会場が、1200年余りの歴史をもつ京都…ということで、ヴァン クリーフ&アーペルの宝飾品のマスターピース約270 点と併せて、日本の技術が詰まった工芸作品、約70点が並べて展示されることに!

日本とフランス両国の技術の共演、「技と技の世界」を楽しめる、見どころ満点の構成となっています。ポスターに使用されたヴァン クリーフ&アーペル コレクション《フューシャ クリップ》と、並河靖之作の有線七宝《蝶に花丸唐草文飾壺》のほかにも、日仏の新旧織り交ぜたアートピースが目白押し。

《ヴァルナ ヨットのミニチュア》ヴァン クリーフ&アーペル コレクション/1907年頃/ゴールド、シルバー、ジャスパー、 木材、エナメル/Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《ヴァルナ ヨットのミニチュア》ヴァン クリーフ&アーペル コレクション/1907年頃/ゴールド、シルバー、ジャスパー、 木材、エナメル/Patrick Gries © Van Cleef & Arpels


《3羽の鳥のクリップ》ヴァン クリーフ&アーペル コレクション/1946年/ゴールド、プラチナ、サファイア、ルビー、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《3羽の鳥のクリップ》ヴァン クリーフ&アーペル コレクション/1946年/ゴールド、プラチナ、サファイア、ルビー、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《二枚の葉のクリップ》ヴァン クリーフ&アーペル コレクション/1957年/プラチナ、ゴールド、ミステリーセッティング エメラルド、ダイヤモンド  《玉虫香合 桐文》/服部峻昇  ヴァン クリーフ&アーペル蔵/2014年/木、玉虫、蒔絵/撮影:江崎義一
《二枚の葉のクリップ》ヴァン クリーフ&アーペル コレクション/1957年/プラチナ、ゴールド、ミステリーセッティング エメラルド、ダイヤモンド  《玉虫香合 桐文》/服部峻昇  ヴァン クリーフ&アーペル蔵/2014年/木、玉虫、蒔絵/撮影:江崎義一
「文化の融合と未来」をテーマに特別出品された、重要無形文化財「友禅」の保持者(人間国宝)が生む、現代工芸とのコラボレーション作品。《友禅着物 雪舞》森口邦彦/個人蔵/2016年/絹、友禅、着物/撮影:四方邦熙
「文化の融合と未来」をテーマに特別出品された、重要無形文化財「友禅」の保持者(人間国宝)が生む、現代工芸とのコラボレーション作品。《友禅着物 雪舞》森口邦彦/個人蔵/2016年/絹、友禅、着物/撮影:四方邦熙

ヴァン クリーフ&アーペルらしい煌びやかなハイジュエリーと、静謐な日本美をたたえる友禅、七宝、漆芸…。

それぞれの道で技を極め、今日まで文化として成熟させてきた日本とフランスの職人たち。優れた文化が融合したその先には、いったい何が生まれるのか?

その想像の余地を大いに残してくれる点もまた、この展覧会の醍醐味です。ちなみに、会期中に用意される展示作品の音声ガイドは、女優・松雪泰子さんが担当。奥行きのあるナビゲーションとともに、熟練技術の粋を心行くまで堪能したいものです。

 

【※追記】
本展覧会をさっそく訪れたラグジュアリーマガジン・Preciousの高橋編集長は、その見どころをこう述べています。

「女性を美しく飾るフランスの伝統技、ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリーと、暮らしを豊かに美しく彩る日本の伝統工芸の、まさしく競演。

特に心惹かれたのは、花や鳥、蝶から野菜まで・・・自然の『アッ』と驚くような表情をジュエリーと工芸の超絶技巧で表現しているのですが、その掛け合いのような展示!

ヴァンクリーフアンドアーペル展
ヴァンクリーフアンドアーペル展

檜の1枚板やガラス、黒と白の空間などを駆使した、建築家・ 藤本壮介氏のモダンでわかりやすい展示方法は、最後まで飽きるどころか、 お腹いっぱい食べて大満足だったはずなのにもう一度、最初から見直したくなる楽しさでした。

写真集でしか見たことのない伝説のジュエリーの存在感は圧巻! また、日本の工芸の類い希な美しさにも気づかされ、お気に入りの工芸作家たちの作品を京都のほかの美術館に見に行き たいと思うなど、興味の世界が広がる展覧会でした」

問い合わせ先

  • ■「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」
    開館時間/9:30~17:00(金曜 は20:00まで)
    休館日/月曜日、6月13日(火)、7月18日(火)
    ※ただし7月17日(月・祝)は開館入館料/一般 ¥1,500 、大学生 ¥1,100 、高校生 ¥600(すべて税込)
    ※中学生以下、心身に障がいのある方と付添い者1名は無料(入館の際に証明できるものを提示)
    TEL/075-761-9900
    公式サイト/http://highjewelry.exhn.jp/
    住所/京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
    会場/京都国立近代美術館(京都・岡崎公園内)
    会期/2017年4月29日(土・祝)~8月6日(日) ※開催終了
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2017.10.31 更新
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