23rd , Sep. 2016

不倫が題材の文学作品から、男女の深淵をのぞく!

間室道子さん
代官山 蔦屋書店
コンシェルジュ
間室道子さん
p10
今年は不倫がすごすぎる! 1月の女性タレントとミュージシャンに始まり、有名ヴォーカリスト、大物落語家ふたり、人気男性歌手など、スクープが止まらない。さらに不倫歴をもつ女性タレントを起用したCMが放送中止に追い込まれ、不倫会見が企業の不祥事会見並みに「出来」を批評され、一方テレビでは相変わらず不倫ドラマが賑やか。我々は男女の逸脱した関係が好きなのか嫌いなのか、大いに混乱させられました。

ひとついいたいのは、あれらは「モテる」とは違うということ。騒動多発のなか、天然芸人の「六股」もあったけど、ワイドショーで司会者が「彼はモテるんですね」と口にしたところ、大御所女性タレントがすかさず「ああいうのはモテ男っていわないの。だらしないだけ。昔の本当にモテた人って、もっと上手よ」とのたまい「さすがー」と思いました。

閑話休題。週刊誌やテレビを追いかけるのはなんだかむなしいと思い始めた方、オススメの不倫小説がたくさんあります! 江國香織の『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』には、外で女性と恋愛中の夫と、彼を待ち続ける妻が登場する。夫は家庭を崩壊させない。それが安心どころかなんともいえぬ薄暗さを一家のなかに漂わせる。『風花』は、「夫が浮気。離婚をほのめかされた妻」。こんなありがちな設定で、とてつもなくおもしろい話を書く川上弘美に舌を巻く。井上荒野の『それを愛とまちがえるから』はなぜか「不倫相手ぐるみのおつきあい」を始めてしまう夫と妻のコミカルな関係。

不倫文学には傑作が多い。どれも複雑で、夫婦という関係のただならなさが描かれる。「奥さんは許すのか」「やっぱり離婚なんだ!」の二択しか話されない芸能ニュースより、男女の深淵がのぞけます。


おすすめ記事はこちら
>>不倫から男色まで、なんでもありの林 真理子流「源氏物語」
>>穂村 弘推薦、世界観を一変させる現代の短歌がここに
>>パリとNY、それぞれのライフスタイルとは?

商品詳細

『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』著=江國香織 朝日新聞出版 ¥1,700(税抜)
『それを愛とまちがえるから』著=井上荒野 中公文庫 ¥580(税抜)
『風花』著=川上弘美 集英社文庫 ¥580(税抜)
※この情報は2016年9月7日時点のものになります。詳細はお問い合わせください。

撮影/田村昌裕(FREAKS) 文/間室道子

Presenter

間室道子さん
代官山 蔦屋書店
コンシェルジュ

Profile

岩手県生まれ。幼いころから「本屋の娘」として大量の本を読んで育つ。2011年入社。書店勤務の傍ら、テレビや雑誌など、さまざまなメディアでオススメ本を紹介する文学担当コンシェルジュ。文庫解説に『タイニーストーリーズ』(山田詠美/文春文庫)、『母性』(湊かなえ/新潮文庫)、『蒼ざめた馬』(アガサ・クリスティー/早川クリスティ―文庫)などがある。

好きなもの:青空柄のカーテン、ハワイ、ミステリー、『アメトーーク』(テレビ朝日)

Archives

漫画家・大友克洋が「バベルの塔」の内部を描いた!巨匠・ブリューゲル作品公開記念

東京都美術館

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展 16 世紀ネーデルラントの至宝-ボスを超えて-

漫画家・大友克洋が「バベルの塔」の内部を描いた!巨匠・ブリューゲル作品公開記念

LIVErary.tokyo
編集部
カルチャー
【こどもの日に観たい】小さな胸だって高鳴る!ベビー ディオールの2017年春夏コレクション

ディオール

Baby dior SS 2017

【こどもの日に観たい】小さな胸だって高鳴る!ベビー ディオールの2017年春夏コレクション

LIVErary.tokyo
編集部
ファッション, カルチャー
ワイン通は必見!「日本一のソムリエ」を決める熱き戦いで、最年少出場者が優勝

第8回全日本最優秀ソムリエコンクール

ワイン通は必見!「日本一のソムリエ」を決める熱き戦いで、最年少出場者が優勝

LIVErary.tokyo
編集部
ライフスタイル, カルチャー
大人気の「ミュシャ展」担当、本橋弥生さんに聞く「学芸員」のお仕事とは!?

国立新美術館

学芸員インタビュー

大人気の「ミュシャ展」担当、本橋弥生さんに聞く「学芸員」のお仕事とは!?

本橋弥生さん
国立新美術館
主任研究員
ライフスタイル, カルチャー
【4月25日まで】ロジェ ヴィヴィエのPOP UPイベントで銀座にいながらパリのエスプリを感じる!

ロジェ ヴィヴィエ

ポップアップイベント「Jardin Vivier」

【4月25日まで】ロジェ ヴィヴィエのPOP UPイベントで銀座にいながらパリのエスプリを感じる!

LIVErary.tokyo
編集部
ファッション, カルチャー
「ミュシャ展」大ヒット!担当者が語る、プロも苦心した巨大展示成功までの道のり

国立新美術館

開館10周年 チェコ文化年事業「ミュシャ展」

「ミュシャ展」大ヒット!担当者が語る、プロも苦心した巨大展示成功までの道のり

本橋弥生さん
国立新美術館
主任研究員
ファッション, カルチャー