6th , Nov. 2016

セクシーよりもっと人を惹きつける。今、"センシャルな女"になりたい

齋藤 薫さん
美容
ジャーナリスト
齋藤 薫さん
齋藤薫 ネイルカラー ルージュ ルブタン

日本の女にとっていちばん苦手なのは、"色気を宿す事"であると思う。

いや私たちが苦手なのではない。日本と言う社会が、未だに色気をなかなか受け入てくれないのである。

色気とは何か、まずはその定義が今なおひどく曖昧であるのに加え、日本では残念なことに、職場からご近所付き合いまで、どんなコミュニティーでも、色気は意味なく小さな炎上のネタになる。色っぽいことそれ自体が、罪であるように。

ともかく男に媚びている…、日本の社会は色気に対して長い間そういう誤解をしてきたが、私たち女性も同じような誤解をしてきたのかもしれない。

それこそ色気は、媚びるための手段であるという誤解を。

 

でも本来、色気とはそんなふうに"具体的な目的"を果たすものではない。何を狙うのでもなく、とても自然にその人から香りのように湧き上がってくるもの。隠しても隠し切れない、抑えても抑え切れない、オーラのようなものこそが色気なのに。

あるいは、色気と言うこの言葉が何か誤解を生むのかもしれない。"色仕掛け"のような言葉もあるほどだから。でもセクシーと言い換えても、また同じこと。

 

そこで今、にわかにクローズアップされているのが「センシャル」という言葉なのだ。

センシャルとは、色気やセクシーとは異なるものの、やはり1つの性的魅力。しかし、異性にだけアピールするものじゃない。まさに、その人からそこはかとなく湧き上がる気配の魅力であり、だからそれは視覚からだけじゃない、五感のすべてに訴えかける。従って、同性にも伝わっていて相手を虜にする、とても奥深い、幅広い、そのぶん、つかみどころのない曖昧な魅力といってもいい。でもだから尊いのだと思う。

例えばブリジット・バルドー、今も往年の姿が"ファッションと女のお手本"であり続ける唯一無二の存在。かつてはセックス・シンボルとして、 マリリン・モンローと人気を2分した人。でもこの人の色気は、本当にセックスシンボルとしてのそれだったのだろうか?

「私はセックスシンボルではあったが、心の奥底にはその種の演技とは両立しない羞恥心がある」

これはバルドー自身が残した言葉。そうなのだろう。紛れもなく妖艶な香りが全身から湧き上る人だけれど、その羞恥心という言葉に表現されたとてつもない奥深さがあって、それこそが見えない力を持って、五感に伝わっていく。何かその人自身を五感のすべてで改めて感じ取れるような気がしてしまうのだ。

知性も、感性も、様々な経験も、全て含めた上での人間的魅力、それが女の体からあふれて出てくるからこそ、ある種の性的魅力となって一瞬に伝わるのだと思う。それこそがセンシャル。

 

今年、この言葉が見事にはまる香りがデビューした。20世紀、香りの女王の名を欲しいままにし、一方でセクシーの代名詞ともなった普遍のロングセラー、"シャネルNo.5"の現代的解釈のもと、やわらかくみずみずしく透き通るような香りに仕上げたNo.5ロー。この香りに、センシャルを教わるのもいいかもしれない。

そして、化粧感はないのに、 ツヤやかでなめらかで、なまめかしいくもある極上の肌を、ひと塗りでもたらしてくれる、前例のないソリッドタイプのファンデーションが進化。誰にでも驚くほど美しい肌をもたらしてくれるものとなった。そしてこれこそがセンシャルな肌。

どんな肌?と言うならともかく使ってみてほしい。濡れたようなツヤと、内側からうるおいが湧き出るようなみずみずしさ。匂い立つような肌とはこのこと。

そして女の体の中でひょっとすると一番センシャルなのが指先、磨かれた美しい爪かもしれない。その爪に真紅のネイルが振られていたとき、ほかに何の飾りもなくても、その人はセンシャルに見える。まさにセンシャルとはそういうものなのだ。

いずれにしても、ただそこにいるだけで相手を虜にする不思議な気配の力、センシャルは、大人になるほど、歳を重ねるほど、身につけるべきものなのである。

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文/齋藤 薫 撮影/戸田嘉昭、宗高聡子(パイルドライバー) 構成/渋谷香菜子(LIVErary.tokyo)

Presenter

齋藤 薫さん
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ジャーナリスト

Profile

女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

好きなもの:マーラー、東方神起、ベルリンフィル、トレンチコート、60年代、『ココ マドモアゼル』の香り、ケイト・ブランシェット、白と黒、映画

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