21st , Dec. 2016

大皿

大皿料理をみんなで楽しむ。大きい器と料理の素敵な関係

城 素穂さん
スタイリスト
城 素穂さん
フードスタイリストの城 素穂さんが、器から始まる食卓の楽しみ方をご紹介する連載記事『器と料理の素敵な関係』も、今回が最終回。

最後を飾るアイテムは「大皿」です。

大皿 安藤雅信さんのオランダ輪花鉢 伊藤 環さんの錆銀彩皿 辻 和美さんのガラスプレート

器の大きい、器―。

仕事柄、日々、器に触れ、器について考えていると、器が人のように感じることがあります。各々にキャラクターがあって、毎食、違うメンバーでチームを組んで食卓に並ぶわけですが、盛り上げ役的な器もあれば、キリッと緊張感を与える楚々(そそ)とした器もあります。

そんななか、どんな組み合わせでもすっと馴染むものがあって、そんな器は、なんて「器が大きいのだろう」とつくづく感じてしまいます。どっしりと安定感のある大皿もまた、そんな器のひとつです。

大皿料理の概念は、もともと中国の円卓を囲んでの食事スタイルにあるといわれています。食卓の中央に置かれた大皿は、四方八方から視線が向けられます。そのときに、どこが正面ということもなく、どこから見ても“いい顔”でなくてはなりません。

「八方美人」という、ややイヤなニュアンスを含んだ言葉がありますが、まさに大皿は、よい意味で八方美人である必要があります。

その他のキャラクターの違いはお好みで。大胆な柄や形の、登場すれば、その場の空気すべてをもっていってしまうようなカリスマ的な存在の大皿も大切ですし、その脇で、控えめに、でも絶大な安定感をもつ、縁の下の力持ち的な存在の大皿も大切。

まだどこか男社会に偏りがちな中で、キリッと華を添える、艶やかで女性的な存在の大皿も大切です。いろいろな形や材質の器を器用に組み合わせて使える、日本人ならではのセンスで、大皿を楽しんではいかがでしょうか。

大きく、重さもあるものですから、買うにも、使うにも、躊躇(ちゅうちょ)してしまいがちかもしれません。ですが、大皿は使ってみると、案外、その“器の大きさ”に助けられることが多いと思います。

なんにせよ、大皿を囲んで、たくさんの人と同じ料理をいただく、そのシチュエーションこそが器と料理の、最も豊かで素敵な関係なのではないでしょうか。

 

【今回のアイテム】「大皿」
一般的に1尺(約30㎝)以上のものを呼ぶが、現代では家族形態の変化などから8~9寸皿も大皿と呼ぶことも。かつて、神饌を盛るため1尺以上の「皿鉢(さはち)」が使われたことから、江戸時代にはハレの日の食事や宴席料理で、本膳料理の前後に大皿料理が供された。大皿料理を円卓で囲む長崎発祥の卓袱(しっぽく)料理は江戸や上方でも流行し、冠婚葬祭の料理に発展。瀬戸焼の「石皿」は茶屋などの煮しめ皿に使われた。

 

(写真右上から時計回りに)
安藤雅信さんのオランダ輪花鉢
一見、上級者向けのように感じる器ながら、オランダのデルフト皿を模した大皿は存在感があり、器だけを飾っても、ちぎったパンなどゴロゴロとした食材や雑貨を盛っても様になる。
オランダ輪花鉢LL 直径32㎝ ¥30,000(税抜)
ギャルリ百草 TEL:0572-21-3368

伊藤 環さんの錆銀彩皿
青みがかったマットな黒の錆銀彩は、伊藤さんならではの表現。オーバル型は、大胆に盛った肉・魚料理をはじめ、パスタなども受け止める万能な器。
錆銀彩オーバル皿 縦23×横32㎝ ¥20,000(税抜)
ラ・ロンダジル TEL:03-3260-6801

辻 和美さんのガラスプレート
金沢でガラス作品をつくる辻さんが、「赤」をテーマとした個展を行った際に製作したプレート。目を惹くきれいな色の器は、食卓に華やぎを添えてくれる。
ガラスプレート 直径27㎝ ¥15,000(税抜)
OUTBOUND TEL:0422-27-7720

 

おすすめ記事はこちら

>>繊細な佇まいが美しい、木村硝子店のクープグラス

>>愛すべき工芸品に金沢で出会う

>>道具の国、ドイツの朝食専用ナイフ

撮影/濱松朋子 スタイリング・料理・文/城 素穂

Presenter

城 素穂さん
スタイリスト

Profile

1978年生まれ。デザイン事務所、スタイリストのアシスタントを経て独立。主に食まわりのスタイリングを中心に、雑誌や書籍で活動。2008年から1年間、ベルギー・アントワープのレストランで、食ともてなしを学ぶ。将来の夢は、おばあさんになったら、小さな食堂のマダムをやること。

好きなもの:食べること、つくること、旅行、器、古いもの、食に関する学術書、職人

Archives

のぼせ、アレルギーはサイン?初夏の不調をこう乗り切る!

アン ミカ流! 夏に間に合う美人の準備1

のぼせ、アレルギーはサイン?初夏の不調をこう乗り切る!

LIVErary.tokyo
編集部
ビューティ, ライフスタイル
がんを乗り越え、自分らしく素敵に輝く女性にインタビュー【乳がんサバイバー藤森香衣さん:前編】

がんサバイバー・インタビュー

がんを乗り越え、自分らしく素敵に輝く女性にインタビュー【乳がんサバイバー藤森香衣さん:前編】

LIVErary.tokyo
編集部
ライフスタイル
【速報】レクサスがクルーザーを発表!ラグジュアリーとスポーツが融合した、その全貌に迫ります

レクサス

LEXUS Sport Yacht Concept

【速報】レクサスがクルーザーを発表!ラグジュアリーとスポーツが融合した、その全貌に迫ります

LIVErary.tokyo
編集部
ライフスタイル
イタリアの極上スパークリングワイン「フランチャコルタ」が楽しめる!ハインツ・ベックでイベント開催

ハインツベック

フランチャコルタ ガーデン

イタリアの極上スパークリングワイン「フランチャコルタ」が楽しめる!ハインツ・ベックでイベント開催

LIVErary.tokyo
編集部
ライフスタイル
インドネシアの秘島に広がる次世代リゾート。世界一に輝いた「ニヒワトゥ」

ニヒワトゥ(Nihiwatu)

インドネシアの秘島に広がる次世代リゾート。世界一に輝いた「ニヒワトゥ」

古関千恵子さん
ビーチライター
ライフスタイル
まもなく「トワイライトエクスプレス瑞風」運行開始!「瑞風バス」並走で充実のクルーズトレインの旅

瑞風バス

まもなく「トワイライトエクスプレス瑞風」運行開始!「瑞風バス」並走で充実のクルーズトレインの旅

LIVErary.tokyo
編集部
ライフスタイル