25th , Dec. 2016

あべのハルカス美術館
わだばゴッホになる 世界の棟方志功

巨匠・棟方志功の軌跡を辿る展覧会が、あべのハルカス美術館で開催【終了】

日本が生んだ稀代の板画家、棟方志功(むなかたしこう)。

彼が、いかにしてその独自性を開花させ、世界的にも高く評価される芸術家となったのか。

その軌跡を辿る展覧会が、大阪・あべのハルカス美術館で開催中です。

《華厳譜》『風神の柵』 棟方志功。あべのハルカス《華厳譜》『風神の柵』 昭和11(1936)年 棟方志功記念館蔵


「わだばゴッホになる」。

生まれ故郷の言葉で、若き棟方志功はつぶやいた。ゴッホのような画家になりたい…。

明治36年、青森市に生まれた棟方は、子供のころから絵を描くことが好きだった。

17歳で働き始めるが、仕事の合間に写生に出かけ、独学で絵描きになろうと努力を重ねた。

大正13年、21歳で本格的に画家を目指そうと上京。やはり働きながら絵を描き、帝展をはじめとした会に頻繁に作品を発表する。

昭和3年に念願の帝展入選を果たし、そのころから版画での表現に興味を抱く。

地道な努力が実り、昭和11年に発表した『大和し美し版画巻』が、民芸運動を提唱した柳 宗悦、河井寛次郎たちに認められ、画家としての存在感を確かなものとする。

この『風神の柵』は、同年に制作された23柵からなるシリーズ『華厳譜』のひとつ。

少し前に華厳経の講釈を受けた棟方は、初めて仏教をテーマに作品制作に取り組んだ。

華厳経に出てくる仏だけでなく、「自身が燃え上がるような感じ」を込めて、風の神や雨の神なども入れたという。

疾走する風そのものを感じさせるダイナミックな画面。板を削り出し、生まれる深い線。黒と白が織りなす強烈なコントラストと力強さ。

33歳にして棟方は版画の世界に独自性を開花させたのだった。

その後、サンパウロ、ヴェネツィアのビエンナーレでの受賞を経て、世界的にも高く評価を受ける。

苦労を重ねた初期作品から晩年の名作までがそろう本展で、その足跡を見つめてみたい。

 

わだばゴッホになる 世界の棟方志功
人生を賭けた版画作品ほか、彩色の美しい肉筆画まで、強烈な個性を放って輝き続けた生涯を辿る。

場所/あべのハルカス美術館
住所/大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F
TEL:06-4399-9050
http://www.aham.jp

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お問い合わせ先

あべのハルカス美術館
TEL:06-4399-9050
http://www.aham.jp

文/林 綾野

Presenter

林 綾野さん
キュレイター
アートライター

Profile

美術館での展覧会の企画、絵画鑑賞のワークショップなどを行う。画家の創作への思いや人柄、食の趣向などを探求、紹介し、芸術作品との新たな出会いを提案。絵に描かれた“食”のレシピ制作や画家の好物料理を自ら調理、再現し、アートを多角的に紹介している。近著『なにを食べているの? ミッフィーの食卓』ほか、『フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』『セザンヌの食卓』『モネ 庭とレシピ』『ぼくはクロード・モネ絵本でよむ画家のおはなし 』(すべて講談社)、『浮世絵に見る 江戸の食卓』(美術出版社)など著書多数。 好きなもの:仏像、散歩、奈良、高松、温泉玉子、軽い鞄、歩きやすい靴

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