銀座・梅林のヒレカツサンド

「明日世界が滅亡するとしたら、何を食べる?」って質問、昔よくしました。バブルのころに流行ってて(笑)。僕の場合、必ず「『梅林』のヒレカツサンド」と答えていました。その答えは今もまったく変わりません。だから人に渡すときは、「滅亡する前の日なら必ず食べるカツサンドです」と言って渡します。

銀座梅林のヒレカツサンド

「梅林」は小学生のころから、銀座のお出かけで連れて行かれた店です。当時から、親のおみやも「梅林」のカツサンド。そんな縁もあって、とても思い入れがあるんです。

ちなみに…ちゃんと銀座にある本店に行って、つくってもらったほうが美味しいんです。これは僕の個人的感想ですが、やっぱり人に贈るときは汗をかかなくっちゃね。お店に行って注文して、お茶をもらって10分くらい待つ。店の様子を眺めながら。これがまた楽しいのです。

もちろん温かいうちに食べるのもいいけれど、一晩置いて、翌朝ソースがパンに染みこんだものも、また美味しい。くれぐれも冷蔵庫には入れないように。

銀座梅林のヒレカツサンド、ヒレカツサンド[大/8切れ]¥1,593・[小/4切れ]¥797(ともに税抜)

ソースがしみこんだ翌日も美味しく食べられるよう、パンにもこだわりが。「実はこのカツサンド用に、パンのエイジングをしているんです」(店長・小森恒夫さん)

銀座梅林のヒレカツサンドの包装紙

この店は包装紙もかわいいんですよ。豚の娘さんが三味線を弾いているイラストなのですが、“珍豚美人”がキャッチフレーズ。これで“ちんとんしゃん”と読ませます。三味線の音色でもあり、美人を江戸弁で“しゃん”と言いますからね。

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この記事の執筆者
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西田善太さん BRUTUS編集長
2017.6.22 更新
1963年生まれ。早稲田大学卒業後、87年より博報堂第四制作室にてコピーライター。91年よりマガジンハウスにて、『BRUTUS』『GINZA』『Casa BRUTUS』編集部を経て、2007年12月より『BRUTUS』編集長。 好きなもの: 白いスニーカー、書店の匂い、グラノーラ、カスタードクリーム、グラタン
クレジット :
撮影/横田紋子(小学館写真室) 構成/渋谷香菜子