各界で活躍する男性・女性が、プライベートで愛用している“食” “お遣い物” “ホテルや宿”などをお聞きするこの連載。『BRUTUS』編集長・西田善太さんに、パリの馴染みのホテルを教えてもらいました。

Hotel Villa Saint-Germain

毎年1月と6月、メンズのファッションコレクションの取材に行くようになって、もう8年になります。ミラノとパリ、飛行機で1時間半の距離なのに、あたりまえだけど、まったく違う都市。レストランやホテルもこれだけ雰囲気が変わるのかと、毎回驚きます。編集部での僕の担当はミラノが中心です。だからミラノがベース(笑)で、パリは旅の気分が出ちゃいます。

Hotel Villa Saint-Germain室内

そんなパリの常宿は、ジャコブ通りにある「Hotel Villa Saint-Germain」。こぢんまりとしていますが、広さでははかれない魅力があるんです。エレベーターの階数ボタンの下の小さなスピーカーから流れる80年代の音楽とか、ライティングデスクに5つくらい並べてある大きな陶器とか(ちょっと邪魔ですけどね)、美しいんです。狭いのに、そこここに細かく“おパリ”な感じが香っていて。最近改装したのですごく綺麗になって、ロビーも使いやすくなりました。居心地が抜群にいい、洗練されたホテルです。

窓から
 

ホテルの立地もとてもいいんです。サンジェルマンの細いジャコブ通りなので、小さな店もたくさんあって。ちょっと歩けばサン=ジェルマン=デ=プレ教会もあります。朝食は、歩いて3分のところにあるブーランジュリーの「PAUL」で。歩きながらパンとコーヒーを。

ブーランジェリー「PAUL」

ちなみに朝、時間があるときには、ホテルの向かいにある徒歩10秒の「ラデュレ」へ行きます。男同士なのでちょっとアウェーな気分ですけど(笑)、朝なら大丈夫。ここでパン・ペルデュ(フレンチ・トースト)を頼むのが、忙しいコレクション時の自分へのご褒美でもあります。ぼくらは“ハレンチ・トースト”と呼んでますけどね。なんか美味しそうじゃない?(笑)。

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西田善太さん BRUTUS編集長
2017.7.22 更新
1963年生まれ。早稲田大学卒業後、87年より博報堂第四制作室にてコピーライター。91年よりマガジンハウスにて、『BRUTUS』『GINZA』『Casa BRUTUS』編集部を経て、2007年12月より『BRUTUS』編集長。 好きなもの: 白いスニーカー、書店の匂い、グラノーラ、カスタードクリーム、グラタン
クレジット :
構成/渋谷香菜子