29th , Aug. 2016

世界屈指のシェフ×プリンシパルが語る、アーティストとして活躍するための極意

ブルガリ イル・リストランテのシェフ、ルカ・ファンティンさんと、アメリカン・バレエ・シアターでプリンシパルを務めるマルセロ・ゴメスさん──世界で活躍するふたりのスペシャルインタビューが実現!

プライベートでも仲のいい彼らに、シェフとして、ダンサーとして、それぞれの“表現する”仕事において、グローバルに活躍するための極意を伺いました。

ブルガリ イル・リストランテのシェフ、ルカ・ファンティンさんと、アメリカン・バレエ・シアターでプリンシパルを務めるマルセロ・ゴメスさん
Q.おふたりの交流のきっかけは?

A.マルセロさん:素敵なレストランをはじめ建築やデザインに精通している日本の友人が、ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティンに連れてきてくれたのがきっかけです。そこで初めてルカの料理を見て、食べて、圧倒されたんです。こんな料理があるなんて、と驚きました。そのときルカ本人がテーブルに来て話をしてくれたのですが、やっぱりアーティスティックな人間って、話をするだけでその人のセンスが伝わるんですよね。その場で直感的なものを私自身も感じ、仲よくなりました。その後、バレエに招待して観に来てもらったり、と交流が続き、数年来の友人に。

ブルガリ イル・リストランテのシェフ、ルカ・ファンティンさんと、アメリカン・バレエ・シアターでプリンシパルを務めるマルセロ・ゴメスさん
Q.おふたりは異なる世界でアーティストとして“表現する”ことを仕事にされていますが、お互いが刺激を受けることは?

A.ルカさん:シェフはどちらかというとアーティストというより職人なのかな、と思うんです。食材を別の形に変えて、それをエクスペリエンスとしてお客様に感じていただく。そういった意味では、言葉を使わずに何かを表現することを極めているマルセロさんのほうが、アーティスト、アートを手がけている人間だなと思います。当然、彼から刺激を受けることはたくさんあります。彼の踊りを見ていると、踊りにかける情熱であったり、そのために彼がどれだけ努力をしたか、その背景に何があるのかを感じ取れます。同じように、キッチンでの創作を通じてゲストにメッセージを伝えるという点では共通するものがあると思っています。たとえば料理で季節を表現する際に、いちいち「これは夏です」「これは春を表現しています」とは言わない。言葉にはしないけれども、料理の盛り付けや見せ方で、ゲストにそれを感じていただく。マルセロさんのパフォーマンスを見ることで、料理における表現の仕方について、より自分の意識が開かれてオープンになりました。

ブルガリ イル・リストランテのシェフ、ルカ・ファンティンさんと、アメリカン・バレエ・シアターでプリンシパルを務めるマルセロ・ゴメスさん
Q.グローバルに活躍されるおふたりが、心がけてきたことは?

A.マルセロさん:つねに努力をすることが大切だと思っています。ダンサーとして健康な体でいるように心がけていますし、より良いパフォーマンスを提供できるように自分のマネジメントを怠りません。アーティストとして立ち止まらないこと、自分の道を貫くこと、そして成長をやめないこと。この3つの信念があれば、自分が日本にいようがアメリカにいようが、環境は関係ないと思っています。

ルカさん:私の場合は、シェフとしてフレーバー(味)をお客様にメッセージとして伝えたい。いろいろな場所に旅をするのですが、そのとき多くのことを学びたいと思っています。たとえば北京に行った際に北京ダックを食べたのですが、皮しか料理に使わないという発想が、僕には理解ができなかった。皮以外の残りの95%は破棄してしまうことが倫理的にそぐわないし、ヘルシーでもないという点で、どうなのかなと。しかし、皮をどうしたらこんなにクリスピーに調理できるのか、という観点から捉えれば、そこから学ぶことができて、ほかの料理にもその学びを反映することができるんです。旅をすることで得た知識を、自分のフィールドで、自分らしく表現すること。新しいことを学び続けることが大事だと思います。

ブルガリ イル・リストランテのシェフ、ルカ・ファンティンさんと、アメリカン・バレエ・シアターでプリンシパルを務めるマルセロ・ゴメスさん
Q.東京の好きなところは?

A.マルセロさん:東京でルカのレストランに行って、素晴らしいお料理をいただく以外で、といったら…公演を観てくださる方々の、バレエに対する情熱と触れ合うことでしょうか。東京のオーディエンスが熱心に観てくださることは、ダンサーにとって何より嬉しいことですし、刺激にもなります。東京でステージに立つと、満たされた気持ち、充実した気持ちになるのです。日本で観客の皆さんからいただく温かさは、私にとって本当に大切なもの。たとえばビヨンセがファンの前で浴びる歓声と比べたら、1%に満たないものかもしれないけど、それでも私にとっては大きく、踊り続けるうえで大切なものなのです。

ブルガリ イル・リストランテのシェフ、ルカ・ファンティンさんと、アメリカン・バレエ・シアターでプリンシパルを務めるマルセロ・ゴメスさん

■Luca Fantin(ルカ・ファンティン)
ブルガリ イル・リストランテのエグゼクティブシェフ。ローマの名店である三ツ星レストラン「ラ・ペルゴラ(LA PERGOLA)」の副料理長などを経て2009年に就任、3年連続ミシェラン1つ星を獲得する、唯一のイタリア人総料理長という実力者。

■Marcelo Gomes(マルセロ・ゴメス)
アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル。優雅で気品溢れる王子や、妖艶な色男、力強いコンテンポラリーまで、異なる役柄を鮮やかに踊りこなす、世界屈指の実力派ダンサー。

 

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撮影/篠原宏明 構成/渋谷香菜子(LIVErary.tokyo)

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